昔、所謂サラ金で働いていたことがあります。
所謂中堅サラ金と呼ばれる会社だったので、はじめてのアコムみたいに、初めてサラ金を利用するってタイプの人が来るような所ではなく、大手で何社か摘まんで多重債務になってるような人が来るような所でした。
ある日、新規の客が店頭来店してきたのですが、見た目40代後半から50代前半くらいのおっさんでした。
その人は50万借りたいということで、保険証と銀行のキャッシュカードだけ持ってきていました。
お勤めは誰もが知る様な上場企業で年収も年齢平均よりも貰っている人でした。
しかし、運転免許証を持っていないとのこと。
札幌でその年齢で男性で免許を持っていないというのもなかなかないのもあり、コイツは怪しいと、そう囁くのよ私のゴーストが。
そんなわけで、免許証が無いこと以外は書類上問題もないわけで、私は会社の在籍確認のために直接会社に電話して本人を呼び出してもらったわけです。
すると、まさかの本人が出るという。
じゃあ店頭にいるのは誰?って話ですよ。
会社で出た本人と会話をし、本人から警察に通報してもらうことにしました。これは業者である私が電話をするより、被害当事者が通報した方が話が早いという判断で、警察から警官が到着するまで時間を稼げと指示をもらい、私は時間を稼ぐために色々ヒアリングの体で話を引き延ばします。
そうこうするうちに十分もしない位で警官が五人もやってきました(笑)
ひとりは婦警で美人だったのはまた別の話。
というわけで、被疑者は警官に連れられ札幌中央警察署へ。
私はお話を聞きたいので~と一緒に中央警察署へ(笑)
ことの経緯を説明するのですが、警察って入れ替わり立ち替わりいろんな人が同じことを聞くんですよ。前後での証言に矛盾がないかを鋭く確認しているんですね。
そして調書を作るのですが、こちらは詐欺被害未遂の被害者ということで、危うくだまされるところだった!という体に仕立て上げる必要があるようで、上記で書いたとおり「コイツは怪しいと私のゴーストが囁いた」下りは省かれ、通常通り審査して在籍確認の電話を勤め先にしたら本人が出てびっくり!というストーリーになりました。
これだけでもう一日潰れまして、待ち時間も長いので警官と世間話をしたりしてました。
ところでカツ丼はもらえないんですか?って聞いたら、「逮捕されたらあげるよ(笑)」なんて馬鹿話をしたりなかなか楽しかったです。
諸々終わり、やっと帰れることになり警官が「送っていくよ」と言ってくれたので、パトカーに乗ってみたい!」と希望をしたらパトカーで送ってくれました(笑)
会社のビルの前につけてもらい、パトカーから降りるってなかなか注目を浴びますね!
送ってくれた警官が「ご協力ありがとうございました!(敬礼)」とわざと大きな声で言ってくれて、悪いことしたひとじゃないアピールをしてくれるというサプライズ(笑)
そんなこんなでその日一日はある意味仕事サボれてラッキーでしたね。
そうそう、あの詐欺犯はどうやら奥さんと結託して書類を用意したんじゃないかって話でした。
今回の話の教訓。
写真付き身分証明書がない人の身分確認は慎重に!