注文住宅を計画し、契約して設計を決めてから着工し、完成~引き渡しを迎えたときは多くの人にとってテンション最高潮の瞬間だと思います。
そして、旧居から新居への引っ越しも大変とはいえ期待に胸を膨らませてその高いテンションを維持したまま作業が進むと思います。
しかし、意外と忘れがちな点が書類上の引っ越し手続きです。
今回、私が新居に移るにあたって色々と実施した書類上の住所変更手続きについて、順を追って説明します。
これから引き渡しを迎えるという人の参考になれば…と思います。
お役所編
諸々の住所変更を行う上で、真っ先に手を付けるべきはお役所関係書類の住所変更手続きです。
何故真っ先にお役所書類の住所変更が先なのか?という点ですが、運転免許証などの公的身分証明書の住所は基本的に住民票の住所通りに記載されるものなので、住民票の異動を先に済ませると効率が良いです。
お勧めのルートは、「住民票異動」→新住所の住民票を持って警察署へ→「運転免許証の住所変更」です。
なお、運転免許証の更新時期が近い場合は更新前に住所変更をしておくと、免許証にきちんと印字された新住所になるので、引越しと更新が近い場合は意識してみると良いと思います。
免許証の住所変更が終わっていれば、後はほぼすべての住所変更の書類は運転免許証で済ませられます。
住民票の異動
引っ越しをするにあたって必ず実施しなければならないのは住民票の異動です。
新居の場所が現在の住まいの市町村とは別の市町村の場合、旧居の市町村で転出届を出して、新居の市町村に転入届を出す必要があります。
大体どこの市町村でも似たような書式で、同じような必要書類となりますので、ご自身の住居地のお役所のHPなどで調べてみてください。
参考までに、我が川崎市の場合はこんな感じです。
住民票の異動は引っ越し後14日以内に実施しなければならないと法律で決まっていますので、可及的速やかに実施することをお勧めします。
注文住宅の場合の住民票異動タイミングの注意点
注文住宅の場合、おそらく土地の購入と住宅建築を同時に進めている方が多いと思いますが、土地と建物の登記を行います。
基本的に土地を先に取得してから、建物を建築することになりますが、土地を購入した時点で土地の登記が行われます。この時点ではまだ土地の所有者の住所が旧居のままで登記されることになるのですが、建物の場合は住宅ローンの絡みもあり、ローン会社やハウスメーカーの意向で住民票の異動タイミングについて細かい指定があるケースがあります(住宅ローン実行時に住民票が異動済みじゃないと、登記作業が二度手間になるなど…)。
必ず、家の引き渡しの前に住民票の異動のタイミングについてはハウスメーカーの担当営業なりに確認してから実施することをお勧めします。
また、住民税などはその年の1月1日現在住民票がある場所で請求されるので、例えば横浜市の様に他の市町村よりも住民税が高いところから転居した場合は、1月1日を迎える前には住民票を異動させておかないと、そのまま高い横浜市の住民税がかかるケースもあります。
住民票の異動と同時にマイナンバーカードの住所異動も忘れずに
タイトルの通りですが、マイナンバーカードを既に発行している人は、住民票異動の際にマイナンバーカードの住所異動も同時に実施してしまいましょう。
マイナンバーカードに登録の住所と住民票の住所に相違が発生すると、マイナンバーカードが使えなくなります。
変更手続きの際には、マイナンバーカード発行時に設定した2種類のパスワードが必要になるので、予め準備しておきましょう(私は妻のマイナンバーカードの住所変更の際に、妻がパスワードを失念して大変めんどくさかったです)。
マイナンバーカードの住所変更に関しては、我が川崎市の案内も参考になるので一応リンクを張っておきます。
国民健康保険の住所変更も忘れずに
個人事業主などで、会社の社会保険ではなく国民健康保険に加入している場合は、国民健康保険の住所変更も住民票異動と同時に役所で手続きを忘れずに行ってください。
本籍の異動
住民票の異動と合わせて、個人的には戸籍謄本の本籍地も新居の住所に合わせて変更することをお勧めします。
理由については後述します。
戸籍について
日本人は基本的に全国民が戸籍登録されています。戸籍は家族単位で作られるもので、未婚の場合は何もしなければ親の戸籍に自分自身が入っています。
結婚をしたり、わざわざ分籍をすると自分の新たな戸籍が作られます。
結婚をすると、(2021年1月現在)夫か妻のどちらかの姓を名乗るかによって、名乗る姓側の配偶者が戸籍筆頭者となり、もう片方の配偶者はその戸籍に入ることになります。子供ができると、その夫婦の戸籍に子供は自動的に入ります。
また、戸籍はどこの市町村に所属するかという本籍という仕組みがあり、本籍の所在地が自分の戸籍の場所になります。
本籍は結婚をしたときに、何もしなければ入籍をした市町村の現住所に自動的に移動されます。
本籍を新居の住所に移動することを勧める理由
まず、人生において戸籍謄本を使う機会は滅多にありません。
しかし、一般的には以下の要件で戸籍謄本が必要となります。
- 公正証書遺言を書くとき
- 相続手続を行うとき
- 保険金の請求をするとき
- パスポートの申請をするとき
- 婚姻届を出すとき
- 年金の請求をするとき
- 家系図を作るとき
若い時や独身の時にはピンとこないイベントが多いですが、昨今は海外旅行をする人が増えているので、パスポート取得の際に初めて自分の戸籍を見るという人も多いのではないでしょうか?
さて、多くの方は新築の家に転居したらそこが生活の拠点となり、我が家の様なDinksでもない限りはそこで子供が産まれたらそのまま家族で暮らすことになります。
子供を連れて海外旅行に行こう!というときに、いざ子供のパスポートを作ろうと思ったときに、現在の住まいが川崎なのに本籍が札幌にあったりしますと、わざわざ札幌市役所まで戸籍を取り寄せる必要があります。
戸籍が必要になるイベントは確かに滅多にないのですが、配偶者に不幸があったとき等の様な状況で、本籍が自分の住んでいる市町村とは全く別の場所にあると、保険金受取や相続手続きのために毎回郵送で戸籍謄本を取り寄せる必要があり非常に手間です。
特段の強い拘り(熱心な信徒なので比叡山延暦寺を本籍にしたい!など)があるわけでもないのであれば、本籍の場所によって税金が変わるわけでも何でもないので、自分の家を建てたタイミングで、新たな自分の家の所在地に本籍を移しても良いのではないでしょうか?
運転免許証の住所変更
お役所関係の住所変更手続きが終わったら、本籍続柄全部記載の住民票を最低1部は取りましょう。
その住民票を握りしめて、今度はお住いの住所の管轄警察署へと向かいます。
警視庁のHPを参考掲載しますが、住所も本籍も基本的に全部記載の住民票があれば問題ありません。
手数料はかかりませんので、お役所の帰りにとっとと済ませてしまいましょう。
これで、あなたの公的身分証明書は基本的にすべて新居の住所に変わりました。
ライフラインの契約住所変更
主なライフラインとして、電気・水道・ガス・電話インターネットがあると思います。
電気やガスは地域会社ではなく、自由化によって別業者(例えば我が家なら東急電気とガス等)と契約しているケースも多いかもしれません。
それぞれの手続きを書いていきます。
電力契約
東京電力エリア内であれば、東京電力のWebページから転居手続きを行えば、旧居での電力引き落とし口座やクレジットカード決済の設定をそのまま新居に引き継げます。
我が家は新居ではへーベル電気を利用するため、旧電力契約は退去日に合わせて解約手続きを行い、へーベル電気は新居入居に合わせて契約を事前に済ませておきました。
水道契約
上下水道は基本的に住んでいる市町村の公共水道になるので、各市町村との調整になります。
私は川崎市内での転居でしたので、川崎市水道局に転居の申し出を行い、支払口座情報等はそのまま引き継いで新居での契約を済ませられました。
川崎市ではオンラインでも変更手続きができるので便利です。
なお、水道契約には新居での水道番号が必要になるので、水道工事が終わって水道局の検査が終わったタイミングで現場監督なりから水道契約番号情報を教えてもらってください。
ガス契約
都市ガスかプロパンガスによって変わってきますが、我が川崎市は都市ガスが使えるため、今まで東急ガスで契約していたものをそのまま転居手続きを行い継続利用という形にしました。
そのため、こちらも引き落とし口座などの設定をそのまま継承できたので非常に楽でした。
今現在契約しているガス会社から変更する場合は、一度解約して新しい会社で1から契約する必要があります。
電話・インターネット契約
電話・インターネットと一区切りにしていますが、それぞれに分けて記載します。
固定電話
NTTやKDDI等マイラインで好きな業者と固定電話契約を行っているかと思います。
新居でも従来型のアナログ回線の固定電話を引きたい場合は、固定電話の電話線引き込みの工事を行う必要があるので、ハウスメーカーとの契約時にその辺は事前に打ち合わせしておく必要があります。
回線引き込み工事費用などが掛かるケースがあるので、契約先の電話会社とよく確認してみてください。
NTTの電話回線を使っている場合は、116に電話をして問い合わせても良いですし、NTTのホームページでも問い合わせや申し込みが可能です。
携帯電話
携帯電話の場合、契約キャリアのお客様マイページから住所変更が可能です。
忘れずに手続きをしましょう。
インターネット
新居でインターネット固定回線を引く場合のお話です。
我が家の事例は以下の記事を参考にしてください。
旧居で契約しているインターネットサービスプロバイダを継続利用したい場合、まずは現在契約している業者に問い合わせてみてください。
継続利用のための引越しの場合、回線敷設工事費などを負担してくれる業者もいたりします。
新居に合わせて、インターネット回線も新たに契約する場合は、上記の記事リンクを参考に、入居に間に合うように契約先とハウスメーカーと調整が必要になりますので、ハウスメーカーと契約したタイミングで工事日程調整などを進めておくことを推奨します。
忘れがちな金融関係の住所変更
誰もが銀行口座やクレジットカード、各種保険などの契約をしていると思います。
これら金融関係は現住所を遅滞なく届け出ることが契約上求められています。
住所変更の届け出を怠ると、最悪のケースでは銀行口座凍結やクレジットカードの利用停止、各種保険については保険が下りないというケースも有り得ますので、今一度自分自身が加入している保険やクレジットカード等を一覧化して、引っ越した場合には転居の届け出を行ってください。
最近では、ほとんどの金融機関がオンラインでの届け出の対応をしてくれています。
また、これも忘れがちですが…
住宅ローンを組んだローン契約ですが、契約時は旧居の住所で契約しているはずです。新居に入ったら新居の住所に登録住所変更を忘れずに!
一応忘れない様に、大体こんな口座を確認してみてねという一覧を書いておきますね。
- 銀行口座
- 各種ローンの登録住所
- 証券口座
- クレジットカード
- 生命保険
- 損害保険(自動車保険等)
特に自動車保険や医療保険等の住所変更を忘れていると、最悪保険金を払ってくれなくなることもあるので、絶対に忘れずに!!!
その他
住所変更の際に以下の手続きもやっておくと便利です。
郵便転送手続き
郵便物の転送届は1年間無料で利用できます。そして、最近ではなんとWebから申込できます!
とても便利なので、忘れずに転送届を出しておきましょう。
また、一部宅配業者(クロネコヤマトや佐川急便等)も、会員登録している住所をきちんと変更しておくと、旧住所宛の宅配便を新居に転送できたりしますので、忘れずに!
各種会員の住所変更
これも忘れがちです。例えばJAFの様なサービスに加入している場合、住所を変更しておかないと、いざサービスを利用しようとした時に登録が旧住所のままで、話がややこしくなったりします。
今一度諸々会員になっているものの住所登録を確認しておきましょう。
一例として…
- JAF
- NHK受信料契約
- Amazonや楽天などの通販系
- 航空会社のマイレージサービス
- 病院の診察券等(通院の際に忘れずに申し出ましょう)
- お薬手帳(薬局で申し出れば変更してくれます)
自動車の住所変更
最後に、これも忘れがちです。
自動車の住所変更。これがまた面倒くさいんです…
これだけで1記事書けるので、次回は自動車の住所変更の手続きについて記事を書きますので、興味がある方はお楽しみに…