前回までの工程は…
遂にユニットバスが取り付けられました。
23日と24日の工程をまとめて今回はレポートします。
天井ボード取付
天井に石膏ボード取り付け作業経過
23日勤労感謝の日に、勤労をもって感謝を示す我が家の担当大工さん達が働いてくれていました。すべては年内引き渡しというスケジュールを死守するため…
さて、この天井への石膏ボード取付ですが、よくよく見るとあるパターンに気付きました。
よく見ると、レンガの様に互い違いに組まれています。
ただ並べるのではなく、このように組むことで地震などで天井に力が加わった際にクラックが発生しにくくなるための工夫なんだそうです。
いくら建築学科を出ているとはいえ、実務をやっていないとこういうところは知らないので、やはり現場はとても勉強になります。
さて、我が家の3階は北側斜線規制の斜め天井があります。ここの石膏ボードがまた厄介なわけです。
斜めに張らなければならないので、石膏ボードの一部を斜めにカットする必要があります。
どうやってやるんだろうと思ったら、石膏ボードを切る丸鋸に角度を設定して切ることができるんですね。
このようにカットすることで、斜め天井に張り付ける石膏ボードと、水平面の石膏ボードの面を綺麗に合わせられる訳です。実に緻密な作業です。
石膏ボードと石膏ボードの間には「酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤」つまり、木工用ボンドを使っています。木工用ボンド最強ですね。
これが3階の天井ボード完成形です。
2階も天井が完成していました。
2階は廊下に埋め込み式のダクトレールが入るのですが、その部分もきちんとできていました。
素晴らしい職人技です。
1階天井高問題
我が家の1階には7畳半の和室があります。ここは妻の書斎兼楽器練習室となる部屋なのですが、天井高に問題があります。
それは、写真を見ていただくとわかると思いますが、ユニットバスが丁度この部屋の真上に来るので一部天井高が低くなっています。
実は我が家、以下の建築基準法の問題が立ちふさがりました。
(居室の天井の高さ)
第二十一条 居室の天井の高さは、二・一メートル以上でなければならない。
2 前項の天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井の高さの異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとする。
この部屋が和室(畳敷き)でなければ、納戸ということにもできたのですが、我が家は和室が欲しいということで、この部屋は和室ということにしていました。
しかし、ユニットバスの都合上ヘーベルハウスの標準仕様では天井高を2.1メートルにできないため、凹んでいない部分の天井高を高くすることで、平均で2.1メートルになるように設計をしていました。
ところが、そんな事情なんて綺麗さっぱり忘れている施主と、知らされていない大工さんとで、「この部屋、何で天井凸凹してるんですかね?かっこ悪いですよね…」という話になりました。
そこで、私は工事監督(旭化成住宅建設の現場監督)にSMSを送って、「今日何時に現場きますか?」と聞いたらさっそく電話が来て、「すぐ伺います!」とのこと。いや、別に何も言ってないのに何このVIP待遇…
そして、工事監督がやってきて斯く斯く云々この天井の件をお話すると、「確かに…なんでこんな天井になってるんだろう?」ということに。
工事監督は今度はヘーベルハウスの現場監督に連絡をして、ヘーベルハウスの現場監督から設計担当に確認をしてくれることになりました。
その上で、上記の事実が発覚(というか思い出した)訳です。
問題点
以上の事実が詳らかになり、大工さんは懸念点を指摘します。
天井高が変わる部分が丁度カーテンボックスと重なるので、納まりが非常に悪いということ。
簡単に図にすると以下の通りです。
ユニットバスが来る部分のH鋼の下に軽天の天井下地を入れると、どうしても天井高が下がってしまうのがヘーベルハウスの標準仕様となっています。
それ以外の部分は高さが違うので、天井が高くなる境界部分にカーテンボックスが来るため、上の図の様に納まりが悪い形となります。これを解消するにはカーテンボックスを天井の高さが切り替わる位置に合わせて短くしてやる必要があるのですが、そうすると窓枠とカーテンボックスの余裕がなくなります。
大工さんはこの点を気にしてくれました。
大工さんファインプレー
ここで、大工さんから一つ提案がありました。
標準仕様の天井野縁だからこの問題が起きるのであって、2.1メートルの納まるように野縁を造作したら、天井をフラットにできるのですべての問題が解決すると。
完全特注ですね。
その提案を元に、設計担当に連絡をして構造的な問題や法的な問題などをすぐに確認してくれて、「施主さんがOKと言えばOK」という回答がその日のうちに出ました。
つまりどうなったかというと…
ユニットバス下の下がっているH鋼の下に来る天井野縁を、全部造作することで天井を高くしてくれるということです。
そうすると、上の図の様にフラットな天井が実現でき、天井高2.1メートルという法的要件もクリアできます。
大工さんファインプレー!
設計上問題がないなら、それでOKと私は快諾し、大工さんは早速カスタム天井の造作に取り掛かってくれました。
1階カスタム天井
通常の天井は、下の写真の様に軽天の野縁材が入ります。
しかし、今回この軽天野縁は規格外となるため、以下の写真の様にユニットバス下の天井は野縁を木材で造作してくれました。
このわずかな隙間に配管も通さなければならず、エアコンの隠ぺい配管の部分は芸術的ともいえる野縁となっています。
これで、フラットな天井が実現することになりました。
大手のハウスメーカーは融通が利かないなんてよく言われますが、こういった職人の技術で回避できるパターンもあるんですね。
いやはや、現場って面白いですね。
次の工程
こんな予定外の工程も含めて、大工さんは着々と工事を進めてくださっていますが、本日24日は、間仕切り壁用の柱材が到着して、間仕切り作成の予定でした。
…予定でしたが、15時に配送される部材が届かない!16時になっても来ない!
そして、遅れること17時にやっと部材が届きました。
ヘーベルハウスの間仕切り柱は軽量鉄骨製となっています。
搬入が終わる頃にはもう18時になろうとしていました。予定より遅れたので残業確定です。大変お疲れ様です…
いよいよ翌25日から、間仕切りの造作に入ります。遂に部屋の形が見えてくる工程になります。
次回もお楽しみに。