前回までの工程は…
水道、ガス、電気配線工事でした。
今回はいよいよ、外壁塗装工程に入っていきます。
ヘーベルハウスの外壁塗装
へーベル版の弱点
ヘーベルハウスの外壁はご存じへーベル版です。
へーベル版は大雑把に言うとコンクリートでできたスポンジ状の建材です。軽石を想像していただければ良いかと。
へーベル版の歴史に興味がある(人はあまりいないと思いますが)方は、以下の記事をご覧ください。
話を戻しますと、スポンジ状ということは水が入り込みやすいです。
これ、実はへーベル版の最大の弱点なんですよ。
水は氷ると膨張する特性を持っていますし、浸食性もあります。
水が入り込んだへーベル版の中でその水が氷ると、膨張してへーベル版をクラックさせる恐れがあります。
また、浸食性もありますので、長期にわたって水に浸食されることで、無機質故に腐ったりはしませんが崩れてくる原因になります。
へーベルハウスが東北北陸以北では展開していない理由として、断熱性の問題とこの水が浸食して氷ることでクラックするという点が原因で、雪国ではALCが使えないからという実しやかな噂がありますが、そもそもALCが開発されたのはスウェーデンで、北欧やロシアの様な雪が降る国でも採用されているので、その噂は正しいとは言えません。
単純に旭化成ホームズの工場生産拠点の都合と、雪国仕様に対応するための開発コストなどの都合などの経営的判断から展開エリアを絞っていると考えてもらって問題ないでしょう。
以上の弱点に対応するため、へーベル版を建材として利用する場合には防水措置が必須となります。
以前の工程で、へーベル版とへーベル版の間に防水シーリング施工を実施していたのもこの問題に対応するためです。
以前の工程↓
ヘーベルハウスの外壁塗装の特徴
ヘーベルハウスの外壁材であるへーベル版は、三重の防水塗装が行われています。
外壁塗装は60年耐久だそうです。気を付けなければならないのは、防水目地のシーリング材は60年持たないから、外壁はノーメンテで60年って思ってはダメです。私の担当営業さんはこの辺ちゃんと正直にお話してくれる人だったので好感が持てました。
上記の通り、3重の層でコーティングしていますということですが、実際に現場で塗装を行うのは上記の中塗り層と上塗り層だけで、下塗り層については工場出荷の時点で既に外壁に塗装された状態で納品されます。
下塗り層
さて、こんなところで貰ったへーベル版が役に立ちますね。
この写真をよくご覧ください。
右側の柄が入っている方が既に下塗りされた外壁部分です。左側の無塗装の部分と比べるとグレー色をしていますね。
この下塗り層は、防水はもちろんですがへーベル版というのは先にも記載しました通りスポンジ状ですので、擦るとすぐに粉を吹きます。
そうならないために表面をコーティングするという意味合いもあるそうです。また、このグレーの下地塗装は防水効果もあるそうです。
建て方が終わったばかりのヘーベルハウスは、最初はグレーの建物なのです。
外壁塗装工事
タイトルに~下塗り編なんて書いていますが、厳密には現場での施工は中塗り層と上塗り層の2回の塗装になります。
しかし、現場としては下塗り工程~上塗り工程という2回の工程なので、下塗り編としています。
塗装前の養生
塗装作業に入る前に一日かけて窓やドアなどの部分に養生作業を行いました。この作業は私が旅行で不在にしていたので見学はできなかったのですが、職人さん曰く「塗装作業の七割は養生作業です。」とのこと。それだけ養生は大事です。
プラモデルを作るときも、マスキングに一番時間がかかりますからね。
下塗り塗料
さて、早速ですが下塗り塗料です。
我が家は新色トバモリーホワイトと、玄武という2色ツートンカラーの外壁となります。
塗料は藤倉化成さんの製品を使っているんですね。
この塗料をまずはしっかり撹拌します。
蓋を開けたばかりだと、上澄み液と塗料本体が分離していてさらっさらです。
この状態のままだと使えないので、撹拌機で撹拌していくと、次第にとろみが出てきます。
吹き付け塗装に使う道具
プラモデルを作る人はエアスプレーなんかをお持ちだと思いますが、ヘーベルハウスの外壁塗装ではそのエアスプレーのお化けみたいな装置を使います。
まずはコンプレッサー。
これ、ガソリンエンジンで動きます。1気筒エンジンです。
スプレーガン本体には、塗料を入れる容器もついています。
ここに、先ほどの塗料缶から柄杓で塗料を入れて吹き付けていきます。
吹き付け作業
準備ができたら早速吹き付け作業です。
全身防護服を着て、マスクとゴーグル着用で作業に臨みます。なお、シンナーは使用していないそうでシンナー臭くはありませんでした。
トバモリーホワイトの下塗り塗装が始まりました。塗装の常套である上から下に塗装をしていきます。
シャッターも外壁と同じ色に塗装してくれます。
一通り塗装が完了しました。ムラの様に見えるのは足場の陰です。安心してください。
色を見比べてみましょう。
こちらが無塗装の外壁。
こちらが、トバモリーホワイトの下塗りが完了した外壁です。
塗料ダマの解消
夏場の様な気温が高い時期だと、塗料はすぐに乾くのですが、11月現在の様な冬季は気温が低く塗料がなかなか乾きません。そのため、コーキング目地の部分などは塗料が垂れ落ちてくる部分があるので、そこがダマにならないように刷毛で均していきます。
水切りの内側も塗装する
基礎とへーベル版の間にある水切り版はアルミ製ですが、表面は吹き付けで塗装されますが、裏側はアルミ板むき出しとなるため、鏡を使って刷毛できちんと塗り込みをして行きます。
そうすることによって、アルミ板が錆びたり腐食するのを防ぐことに役立つそうです。
作業に使っている鏡、昔女子高生がみんな持ってたLOVE BOATの鏡に似てますねと言ったら、20代には通じなかった…orz
頑張って塗っていただいた水切りの裏側はこんな風になっています。
玄武の下塗り塗装
玄武色の下塗り塗装も一部終わっていたので、こちらも掲載しましょう。
まとめ
今回は下塗り(中間層)の塗装工程でした。
まだ外壁は下塗りが全部終わっていないので、下塗りだけでまだ数日かかるとのことですが、次回は上塗り工程となります。
が、上塗り工程に入る前に内装工事であるSL工事が入ります。次回はSL工事編となります。
引き続きお楽しみに。