2020年6月27日、上棟祭を執り行いました。
今回は我が家の上棟祭についてレポートしていきます。
上棟祭とは
一般的に上棟式として知られていますが、上棟式と上棟祭は厳密にはちょっと違います。
上棟式と言えば「餅まき」というイメージが強いかもしれませんね。
上棟祭の流れ
そもそも上棟祭について、神社本庁では「諸祭式要鋼」で上棟式の基準を示しています。
上棟祭で奉られる祭神は
- 屋船久久遅命(やふねくくのちのみこと)~木の神様
- 屋船豊宇気姫命(やふねとようけひめのみこと)~食物・穀物を司る女神で伊勢神宮の外宮で奉られる神様
- 手置帆負命(たおきほおいのみこと)~工匠の神様
- 彦狭知命(ひこさしりのみこと)~工匠の神様
- 建築地当地の産土神~建築地の地域に鎮座する神様
であると定められています。
鉄骨造のヘーベルハウスで、木の神様である屋船久久遅命の出番はあるのか何とも言えません(笑)
鉄骨造の家は、鍛冶の神様である『金屋子神(かなやごかみ)』もお呼びしていただきたいですね。
式次第
上棟祭の式次第は正式には以下の通りです。
- 修祓
- 降神
- 献饌
- 祝詞奏上
- 曳綱の儀(棟木を曳き上げる)
- 槌打の儀(棟木を棟に打ちつける)
- 散餅銭の儀(餅や銭貨を撒く)
- 玉串拝礼
- 撤饌
- 昇神
- 直会(なおらい)
1~4については、地鎮祭含め神式の祭事の基本的なルールです。
上棟祭ならではの儀式として5~6ですね。
曳綱の儀
この儀式は、棟木に取りつけた綱を引き、屋根の一番高い位置にある「棟」に棟木を曳き上げる儀式です。
まずは、2本の紅白綱を博士杭(はくしぐい)にくくりつけ、参列者に曳綱を持ってもらい、振幣役(ふりへいやく)の「エイ・エイ・エーイ」の掛け声に続いて、曳綱をもった参列者全員で「エイ・エイ・エーイ」と掛け声を掛けながら綱を引く所作を三度繰り返して、棟木を引き上げるのが「曳綱の儀」となります。
槌打の儀
槌打の儀は、曳綱の儀で引きあげられた棟木を、屋根の一番高い位置にある棟(むね)に打ちおさめる儀式です。
まず、おさめる棟木が千年にわたり安泰であるように祈願する意味を込めて、振幣役(ふりへいやく)が「せん・ざい・とう」と唱え、これにあわせて屋根に上がった槌打工匠(つちうちこうしょう)が「オー」と応じて、棟木を3度打ち固めます。
続いて、万年(まんねん)にわたり、栄える棟であるように祈願する意味を込めて「ばん・ざい・とう」と唱え、これにあわせて槌打工匠が「オー」と応じて棟木を3度打ち固めます。
最後に「えい・えい・とう」と唱え、この造営する建物が永久に安泰で、幸多く、かつ栄えあることを工匠全員が祈願し、槌打工匠が「オー」と応じて、棟木を3度打ちおさめます。
散餅銭の儀
これが所謂餅まきと呼ばれる儀式です。災禍を祓うと同時に、福を分け与えるという意味があるようです。
平安時代からこの風習があるようですね。
直会
祭祀の最後に、神事に参加したもの一同で神酒を戴き神饌を食する行事です。つまり慰労飲み会ですね。
一般的には施主が主催し、工事に携わった大工さんたちを呼んでおもてなしする会です。実は上棟祭で一番お金がかかるのがこの直会です。
我が家の上棟祭
我が家は地鎮祭に引き続き、上棟祭も実施しました。
地鎮祭のレポートは以下の記事を参照してください。
最近では地鎮祭を実施しない人も増えているというお話ですが、上棟祭や上棟式についてはもっとやらない人が多いです。
ハウスメーカーも上棟式については案内すらしないところもあるようですね。
先のセクションでも上棟祭の式次第について書きましたが、そもそも上棟祭って木造在来工法の家の儀式なんですね。
こんな感じで、鉄骨の梁をクレーンで釣り上げて組み上げていく鉄骨造の家にはそもそも「上棟」という工程どころか、棟木という構造すらありません。
ですから、曳綱の儀で綱で鉄骨の梁を引き上げるなんてそもそも無理な話だし、槌打の儀といってもアンカーボルトで締めるのでそういう工程はありません(笑)
じゃあ、なんでやったの?と思うかもしれませんが…
神事とかの儀式が好きだからやっておきたかった!
というわけです。
手配
というわけで、地鎮祭の時に今後の工事についての打ち合わせを実施したのですが、その時に私はヘーベルハウスさんに聞いてみました。「上棟祭って手配してもらえるんですか?」と。
地鎮祭の時に提携している、横浜の『星川杉山神社』さんにお願いできるということで、手配をお願いしました。
ヘーベルハウスで上棟祭を実施する費用
これはあくまでヘーベルハウス川崎支店のお話です。他の視点だと提携している神社が違うとかで費用とかも変わってきますので、必ずこの値段と言うわけではありません。
ヘーベルハウスの上棟祭では、色々と略式で実施しますので式次第としては以下の通りでした。
- 修祓
- 降神
- 献饌
- 祝詞奏上
- 各階及び家の周りの四方祓
- 玉串拝礼
- 撤饌
- 昇神
この他に、施主から工事関係者の皆さんにビールを振る舞いました。これは完全に私個人のやり方であり、ヘーベルハウス側から求められたわけではありませんでした。
上棟式では職方とかにお金を渡す…という伝統もありますが、ヘーベルハウスではそれは不要と明確に言われています。コンプライアンスとか厳しい世の中ですからねぇ…
上棟祭の記録
というわけで、当日の我が家の上棟祭の様子をあまり写真は撮れなかったのですが、ご紹介します。
約束の時間に現場に行くと、3階LDKに祭壇がしつらえてありました。
そこで、我が家が奉納する「エビスビール」と「神都ビール」と「我が家の守り神ラム君」を祭壇にお供えさせていただきました。
守り神ラム君
このラム君ですが、契約の際に妻がヘーベルハウスと契約する条件として「ラム君人形を提供すること」という注文をつけており、契約の際にヘーベルハウスさんから契約の証に提供いただいた貴重なラム君ぬいぐるみとなります。
妻は着せ替え人形の様に季節に応じて色々な服を着せていますが、今回は夏仕様とのこと。
このラム君も一緒にお祓いを受けさせてもらうこととしました。神主さんは快く対応してくださいました。
伊勢から取り寄せた奉納ビール
私、個人的に伊勢の方々との付き合いがあり、そこで紹介していただいた伊勢の地ビールと言うのがあります。
この伊勢地ビールの伊勢角屋麦酒さんを、伊勢の友人から紹介されまして、せっかく我が家の上棟祭だからとこの中でも伊勢の『神都ビール』を取り寄せて奉納しました。
棟札
祭事は滞りなく終了し、最後に棟札を棟上柱を括りつけるのが習わしですが、ヘーベルハウスには棟上柱ってものが存在しないので、後日現場監督に鉄骨梁の良いところに括りつけてもらうこととしました。
工事進捗確認
上棟祭で工事監督も現場監督も一通り揃い(ついでに東急セキュリティさんも来ました)ましたので、進捗確認と工事状況確認の検閲を実施しました。
換気扇や換気口が取り付けられる穴が開いているだけだったのですが、上棟祭の時には換気口のフードが取り付けられていました。
キッチンの換気専用の排気口も取り付けられていました。
そして、ビルトインガレージのシャッターも取り付けられていました!
やっとガレージらしくなってきましたね!
この後、東急セキュリティさんと警備装置の取り付け場所なども打ち合わせし、現地を後にしました。
天候次第ですが、来週あたりからへーベル版のコーキング工事が始まります。
室内には防水シートが大量に準備されていました。
そして、いよいよ外壁塗装も始まります。
引き続き、我が家の建築記録もお楽しみに…
イマドキ上棟式をやる施主っているの?
インターネットで上棟式を検索すると、上棟式はやるべきか否かみたいなサイトが良く引っ掛かります。
まぁ、私個人としては記念にもなるしやって損はないと思いますが、『家系ブログを盛り上げる会』の皆様に聞いてみました。
#家系ブログを盛り上げる会 の皆さま
— ズブロッカ大佐 (@CZubrowka) 2020年6月28日
我が家の上棟祭が昨日終わりまして、その記事を作成していますが、上棟祭実施された方。ブログ記事があれば引用掲載させていただきますので、コメントくだされば…
このあたりを記事にされている方のブログを紹介します。
(順次更新していきますので、是非リンクしてくれって方はTwitterで連絡くださいね)
上棟式をやらなかった施主
スウェーデンハウス施主のエゾムースさんの記事です。
私と同じ北海道出身の方で、勝手に親近感を抱いております(笑)
上棟式をやった施主
中国地方在住の地元工務店施主の近所(ちかどころ)さんの上棟祭の記事です。
準備に関する記事がとても参考になります。木札に文字を書くコツは私も初めて知りました。
セキスイハイム施主の八郎さんの上棟の記事です。
セキスイハイムはユニット構造ですので、最も棟上げという概念からは遠いですが、セキスイハイムの上棟式とはどんなことをやるのか?
パナソニックホームズ施主のディックさんの上棟祭の記事です。
パナソニックホームズでは関係者に謝礼を包むんですねぇ…大手では珍しいのでは?
住友林業施主のびびさんの上棟祭の記事です。
神職を呼ぶわけでも、正式な式をするわけでもなく、賄賂を渡したとのことです。詳しくは以下のリンクを参照(笑)
東海地方の地元工務店の施主、まつみんさんの上棟式の記事です。
地域柄なのか、今まで伺った方の中でも最も伝統に近い上棟祭を行われています。コロナの影響で規模は縮小されたようですが…
大がかりな上棟式を考えている方はぜひ読んでみてください。
次回