前回、ヘーベルハウスとの契約時から、インテリアやら外構やらを決めた結果の修正見積が、契約時よりも240万円も増額していた件について記事に書きました。
詳しくは前回の記事を参照してみてください。
前回の打ち合わせ時に、担当営業氏はインテリアの減額検討をするにもIAと会話しながら進めた方が良いということで、IAさんの予定を押さえて打ち合わせを調整してくれました。
また、我々施主も、上振れ額が想定よりも多かった(というか多すぎた)ので、契約時の見積書と、変更契約用の見積書を一つ一つ見比べるという作業を行い、100万円近くの減額案を自ら作成しました。
しかし、価格上昇の中にはいくつか不可解な増加分が見られました。これは徹底的にヘーベルハウスさんと見積内容を突き詰める必要がありそうです。
というわけで本日4月4日、いざ決着をつけんと打ち合わせに臨みます。
価格上昇の原因分析
今回の240万円の価格上昇の中身を分析したところ、大まかに以下の分野での価格増加がみられました。
- 外構工事費(50万円)
- 照明関連(3万円)
- 壁紙等インテリア特注関連(50万円)
- 設備関連(40万円)
- セキュリティ導入費用(15万円)
- ガレージ用シャッター(70万円)
- 天井高変更(9万円)
外構工事費
外構工事費については当初から50万円ほどしか予算を積んでいなかったというのがそもそもの敗因でした。
私が要望した外構工事内容で高くついたのは、宅配ボックスや郵便ポストなどの設備でした。この価格だけで40万円近く行きます。
まあ、これはへーベル側の最初の見立ても甘かったわけです。
ただ、ヘーベルハウスに限らずですが、ハウスメーカーは外構工事費用算出を後回しにしがちです。
外構のブレ幅は、要望事項が多ければ多いほど大きくなる傾向にありますので、できれば契約前に大体の外構の方向性を考えて概算見積もりをしっかり作ってもらって予算感をつかんでおくことが大事です。
照明関連
照明関連は当初から約20万円ほど見込んでいました。これは過去の傾向から大体これくらいだろうという予測値で出したそうです。
ただ、誤算だったのは我が家が照明器具については並々ならぬこだわりを持っていたということ。
選べば選ぶだけ高くなるわけです。
例えばトイレの照明なんかは、へーベル標準のダウンライトにすれば4000円程度で済むところを、メーカー製のペンダントライトなんかにしてしまうと途端に3万円近くに膨れ上がります。
こんなことを繰り返すと、一気に価格は跳ね上がります。
それでも、へーベル側で見立てた当初予算から3万円程度しかはみ出していないのは、見積精度がなかなかよかったのかもしれません。
壁紙等インテリア特注関連
ここはすべて標準品にしてしまえば価格が上がることはほとんどありません。
しかし、今回我が家は部屋毎に壁紙を特注壁紙を使っているため、コストが嵩みます。
また、標準装備である突板フローリングよりもグレードの高い挽板フローリングをLDKに採用したため、それだけで15万円の価格上昇がありました。
設備関連
トイレ、洗面台、風呂、キッチン。
この設備のグレードをどうするかは金額の振れ幅が大きいです。
今回、トイレはグレードを標準価格程度に抑えているのですが、洗面台と風呂のグレードを選択肢の中から上級グレードをチョイスしたのが価格上昇の原因です。
洗面台は住友林業クレストをチョイスしました。これは他のTOTOなどの洗面台よりも価格がバカ高くなります。
ユニットバスも、リクシルのラインナップから一番高いやつを選んでいたので、高くついています。
セキュリティ導入費用
今回、東急セキュリティを導入する方向で考えています。
詳しくは以下の記事参照。
通常であれば、ヘーベルハウスからの引き渡し後にホームセキュリティ工事が入るのですが、今回ヘーベルハウス側と交渉して、東急セキュリティがヘーベルハウスの工事請負下に入って一緒に導入工事をしてくれることになりました。
こういう場合、ヘーベルハウス側が東急セキュリティの請負代金にマージンを10%ほど上乗せしてくるのですが、なんと今回ヘーベルハウス側はマージンを0で提案してくれました。
というわけで、当初から東急セキュリティから提案されていた金額のみで導入が可能となっています。
とはいえ、契約時にこの金額は考えていなかったので、純粋に導入費用15万円が純粋に上乗せとなっています。
ガレージ用シャッター
今回、ガレージ用シャッターの値段が単品では一番大きな額となります。
ヘーベルハウスではビルトインガレージのシャッターの管轄が外構担当になるそうです。
詳しくは別記事立てましたのでご覧ください。
しかし、家の建物本体は設計担当の管轄になるため、違う担当同士で設計を調整し合いながら進める必要がある隙間部分となるため、正直お話がすんなり進みません。
というわけで、ヘーベルハウスとの最初の契約時にはまだシャッターのメーカーも決まっておらず、図面にすらシャッターが表れていませんでした。
もちろんシャッター取り付け費用も盛り込まれていません。予備費というバッファの中で吸収できるように…という程度の予算組でした。
しかしながら、今回シャッターが意外に高かった…
天井高変更
今回最大の謎が、天井高変更費用約10万です。
簡単に言うと、もともと納戸として建築申請を出す予定だった部屋だが、納戸の条件を満たせないため居室で申請するしかなくなったが、それだと天井高が足りなくなるので、天井高修正費用が加算されていたということです。
施主としては全く与り知らぬところで、全体240万円という差額の中では1割にも満たない金額のお話ですが、少々こちらについてはヘーベルハウスに対して不信感を抱く原因となりました。
費用削減策についての協議
とにかく費用が高くなったことに違いはありません。その分予算を増やすという手もありますが、それは最終手段にしたい。
そして、費用増加部分の大半は自分たちのチョイスが問題であるから、まずは自力で削減可能そうな特注や設備を仕分けしていきます。
まず、この作業だけで100万円近い費用を削減できそうな目途が立ちました。
ただ、正直この削減対象は主に私が希望した部分ばかりで、妻が希望したところはほぼほぼ残っていることについては、若干の不満を抱いていたのは事実です。
ですから、後からどうとでもできるように工夫を行いました。
照明器具の削減
例えば、照明器具については施主支給を行うことで、メーカー仕入れ価格よりもAmazonなどで個人購入する価格の方が半額以下だったりするので、照明器具予算を20万円近く丸っと削減しました。厳密には自力で買うのでお金が出ていくことに変わりはありませんがね。
また、明るさが不安で複数個照明を取り付けるつもりだった場所には、ダクトレールを採用して、取り付ける照明個数を減らしました。暗ければ後から追加すればいいと。
特注や造作を減らす
今回神棚を特注サイズでオーダーしていたので、標準神棚の倍の価格になっていました。
とにかく特注や造作は高くつきます。
なるべく標準品にしたり、市販の置き家具で済ませられそうなところは造作や特注を止めることでインテリア費用を抑えました。
床板のグレードを落とす
ヘーベルハウスでは、「突板」→「アドバンスドフローリング」→「挽板」→「無垢材」という順番でフローリングのコストが上がっていきます。
「突板」と「アドバンスドフローリング」はほぼほぼ価格は変わりませんが、「挽板」は突板の倍くらいの費用になります。
当初、一番広いLDKの床は「挽板」で計画していましたが、これを突板にダウングレードすることで15万円近く費用を削減できました。
電気系設備の見直し
電気のスイッチやコンセントについて、後から増やせないのでとにかく不便にならないようにと沢山つけるのが良いと言われます。
我々も、様々な事態を想定した動線を元にスイッチやコンセント配置を選びました。
しかし、塵も積もれば大和撫子、略してチリツモ大和ナデコとも申しますが、スイッチやコンセントも増えればそれだけ材料費も工事費も配線費も増えます。
というわけで、動線を見直し、スイッチの系統も大幅に統廃合を行いより効率的な運用を目指すことで3分の2ほどの量に減らしました。
ヘーベルハウスとの交渉
4日のヘーベルハウスとの打ち合わせの前に、ある程度こちらで費用削減対象の絞り込みや提案をヘーベルハウス側に行っておきました。
なので、4日の打ち合わせではIAを交えたインテリア費用削減と、設備関係などの費用削減について打ち合わせを行う想定でした。
しかし、ヘーベルハウス側からは驚くべき提案が行われることとなります。
ヘーベルハウスからの減額提案
まず、前回ヘーベルハウスから提示された見積もりの金額上昇のインパクトが大きすぎることについて、ヘーベルハウス側としても少なからず問題視していたようでした。
積みあがった金額を標準価格のままで施主に提示し、せっかく色々楽しんで考えていた施主側のテンションを下げて、費用削減のための仕分け作業が中心となる方向に話を持って行ってしまったことについて、真摯にお詫びをされました。
担当営業さんはどうやら相当上から絞られたようです…
そして、ヘーベルハウス側からは以下のような提案を受けました。
天井高変更費用分の行方
最大の懸念事項であった、天井高変更費用10万円についてですが、こちらはやはりへーベル側としても説明不足であり、説明不足な追加費用を施主負担をさせることがそもそもおかしいと社内でも問題になったようで、この分の追加費用についてはへーベル側が持ってくれることになりました。
ガレージシャッターの減額
ガレージシャッターについても、通常であれば業者価格というか仕切り値があるはずなのに、定価で提示していたようです。
業者側とへーベル側で交渉し、仕入れ価格を下げることで、当初予定していたシャッター費用に収まるように価格調整を行ってくれました。
結果
以上より、当初契約時に想定していなかった追加費用については、施主である我々が支払わなくてよいということにしてくれました。
もちろん、その他の部分についてはキチンとダウングレードを行うことで価格を下げる必要はありますが、ヘーベルハウス側がミスと認めた部分については、へーベル側が持ってくれるという結果になりました。
これ、意外とすごいことなんですよ。
ヘーベルハウスが示したケジメ
正直、落としどころとして我々が想定していた以上の条件を提示されました。
基本的にこういったトラブルによる価格交渉時は、大体のハウスメーカーは値下げをしません。
値下げをしない代わりに、他の設備を標準価格で上のランクにアップグレードしたりという形で収めようとされることが多いようです。
今回、基本的にヘーベルハウス側とは非常に良い関係を築きつつお話が進んでいました。先方も誠実に対応してくれていましたし、我々も「お客は神様」思想を嫌っていますので、良い客であることを心掛けていました。
それでも人と人のやり取りです。どうしても意思疎通の齟齬は生まれます。
確かに今回の問題は、正直不信感を抱かざるを得ないものでした。
そこをちゃんと確認するのも施主の責任ではあると思います。
しかし、ヘーベルハウスはその小さなトラブルに対しても全力で誠心誠意対応してくれました。
自分たちのミスですと、業者が認めることはなかなかないことです。
我々が本当であれば本日クレームを入れようと思っていたことでしたが、本件は我々が口に出す前に、先回りして提案をいただけました。
私は、
自らの過ちを、こちらから指摘する前に認めて、落とし前をつけようとしてくれる旭化成ホームズという会社が素晴らしい会社だと感じました。
金額としては十数万という、全体の契約金の中からみればほんの小さな金額です。
「その分、食洗器を上のグレードにしますので…」とかそういってごまかすこともできたかもしれません。
でもそれをやらずに、真摯に対応してくれたその誠実さが本当に嬉しかったです。
スタッフひとりひとりに恵まれたと思います。
個人的には今の担当営業はまだ若く、若干頼りないところもありますが、一生懸命やってくれているし、何よりも解らないことをごまかさず「自分ではわからないから、わかる人に確認して回答します」という姿勢を首尾一貫している点が気に入っています。
今回の件も、表に出てきていない裏方の設計担当者たちもかなり動いてくれたというフォローを忘れず、チームとしてこのプロジェクトを満足のいく形で成功させようとしているという意思を感じました。
だから、私はもう一度彼らを信じてやっていこうと思いました。
きっとうまくいく、うまくいかせる。
ですから、今回のブログのタイトルは嘘です。
実は全然バトルしていません。
着工まで後一か月。
次回は、最終見積確定と変更契約締結を完了させ、遂に着工へと駒を進める予定です。
次回