いつもこのブログを読んでくれている皆様にはこんにちは。
初めてご覧になっている方には、初めまして。
ズブロッカ大佐です。https://twitter.com/CZubrowka
まず、私の簡単なプロフィールを改めてご紹介します。
年齢:30代後半
出身:北海道
今のお仕事:システムインテグレーターと呼ばれるIT企業で働いています
略歴:
- 建築学科を卒業(学生時代はインターンとかアルバイトで何社かの設計事務所で図面書きと一部設計のお手伝いをやっていました。いくつか私が図面を描いたお店が札幌にあります)
- 2級建築士試験の当日寝坊して試験を受けられず、どうせ建築で食っていく気もないしいいやと建築士免許を取らずに今に至る(免許取っておけばよかったとたまに後悔しています)
- 某ノンバンク金融で数年働く(ここで金融の知識を得る)
- グレーゾーン金利廃止で会社潰れるから公務員に転職する
- 陸上自衛隊に入る(ここで戦車の免許を取る)
- 自衛隊の給料が将来賃金を見ても安いし転勤が多すぎるので民間に再転職する(自衛隊で1佐になっても年収1000万行くか行かないか…)
- IT企業に転職し、かれこれ数年…→今ココ
ハンドルネームの由来は、
- 元自衛官
- 行きつけのバーでいつもズブロッカを飲んでいる
- バーテンダーの一人が、私が元自衛官でズブロッカばかり飲んでいるから「ズブロッカ大佐」と徒名する(なぜ大佐なのかは、その店員曰く私がムスカ大佐みたいにスカしているからバカにしたそうだ)
- それがそのままハンドルネーム
ということです。もともとバカにされてつけられた徒名ですが、割と気に入っています。
なぜ建築学科に行ったのか?
そもそもなぜ私が建築学科に行ったのか。
それは、幼いころに青函トンネルが開通しました。
北海道では大ニュースでしたし、テレビや新聞や子供向けの本でも青函トンネル特集が組まれており、幼き日の自分に多大な影響を与えました。
また、同じ年に瀬戸大橋の開通も話題になりましたね。
瀬戸大橋と青函トンネルに夢中でした。
そのころから、巨大建造物が好きだったのだと思います。
特にトンネル系は大好きで、札幌で地下鉄新線が開通する時期でもあったので、工事現場に見学に行ったりして夢中で追いかけていたと思います。
トンネルや橋やダム。スケールの大きい建造物が好きで、そういったものに関わる仕事をしたいと思っていました。
進路を決める際に、教師のアドバイスで建築学科を目指しました。
察しの良い方は気付いたと思います…
建築と土木の勘違い
そう、私が好きなジャンルは「土木」。私が行った学科は「建築」。
建築と土木って何が違うの?って思うかもしれません。簡単に違いを述べますと、「地面の下が土木で、地面の上が建築の領域」と言われます。
いや、橋とかダムって地面の上じゃんって思うでしょう?
凄く大雑把に言うと、自然そのままの土地に手を入れて人工的に何かするのが土木。
土木の力で開かれた土地に上物を作るのが建築だと思っていただければよいです。
そう、学校に行って気付きました。建築学科を出てもトンネルやダムや橋は作らないのだと…
それでも建築は楽しかった
土木と建築の違いも解らずに建築の世界に飛び込み、基礎的なことを学びました。
土木も建築も根っこは一緒なんですね。ただ、土木の方がスケールが基本的に大きくて単位が桁違いです。
戸建て住宅の基礎工事なんかは見たことがあると思いますが、それが橋とかになると戸建て住宅の何百倍ものスケールになります。
とはいえ、建築は建築で楽しかったです。
もともと世界遺産とかも好きで、神社仏閣なんかの建築物も好きでしたので、授業の中で日本の古来の建築様式やその構造なども学びます。法隆寺や伊勢神宮、出雲大社などの太古の建築物がなぜ優れているのか…など。
今現在、建築を生業にはしていませんが、学問として、教養として建築の知識を取り入れることができたのは私の宝だと思っています。
建築で食べていくことを選ばなかった理由
ここまで書くと、建築をなぜ続けなかったのか?と疑問に思うかもしれません。
私は意匠建築寄りの教育を受けました。
美しさや斬新さを求める、半ば人が居住する空間というよりも、人が入れる彫刻だったり美術品を作るような感覚の世界でした。
確かに、素晴らしい作品が世の中に溢れています。
以前私も紹介しました、世界的建築家の作品の家などは芸術と言っていいです。
しかし、私はこういう建築物を美術品としか思えませんでした。
そこに生活空間としてのリアルさがない
建築家の先生たちは、マンションや建売住宅、果ては大手ハウスメーカーの注文住宅でさえも「面白くない建築」と評する方が多かったです。
確かに、芸術品の様な建築物を生み出す先生たちの作品と比べたら、そこには生活感だとか機能性しか考えられていないおおよそ美しさとはかけ離れた工業製品なのでしょう。
しかし、広告で家に入ってくるマンションや建売住宅のチラシを見ると実によく考えられている設計なのです。
一般的な家事動線や生活動線がそこに詰め込まれています。
凡そ無難ですが、リアルな生活には無難解を出している。
確かに面白みはないかもしれませんが、私はどうしても建築家の先生たち(全員がそうだとは言いません)の言う「建築家は、その建築で施主の人生を設計するのだ」という姿勢に、違和感を禁じえなかったのです。
建築家は人生に口を出すものなのか?
昔、テレビ朝日系列で『大改造!!劇的ビフォーアフター』というテレビ番組や、テレビ東京系列の『完成!ドリームハウス』という番組が人気を博していたことがありました。
実に素晴らしい家もありましたが、ネットでも度々炎上するように、たまに建築家のエゴの塊のような家が出来上がることもあります。
そういった「建築家の芸術作品に、施主は生活を合わせるべきだ」という姿勢に私は納得できなかった訳です。
しかし、先生たちは奇をてらったものを評価します。
私は実用性をどうしても重視してしまうため、「広告で入ってくる家のようだ」とか、「普通のオフィスのようだ」とか、そういった評価を受けることが多かったです。
評価に不満があったわけではありません。ちゃんと単位はもらえましたし卒業もしました。
建築家には向いていない
そんなこともあり、私は建築家の先生のようなものをつくることはできないし、作りたいとも思わなくなっていました。
どこかのゼネコンに入って、土木工事の現場監督とかを目指すのもいいかなと思いましたが、建設会社を受けると私の学歴上「どうして設計部を希望しないの?」と聞かれることばかりでした。
あるとき、大手ゼネコンの設計部だった先生からこのようなアドバイスをもらいました。
「君はきっと建築を仕事にしたいと思っていないよね。僕は構わないと思うよ。
無理やり建築を続けて嫌いになるより、嫌いじゃないけど好きでもない程度のことを仕事にして、それで稼いだお金で自分のためだけに好きな家を建てれば、ここで建築を学んだ価値が生かせると思えばいいんじゃないかな。」
嫌いじゃないけど好きでもない代わりにちゃんとお金を稼げる仕事
そんなわけで、建築を仕事にしなきゃ!せっかくそういう教育を受けたのだから…という呪縛から解かれ、好きな家を建てられるようにお金を稼げる仕事をすればいいと割り切り、私は建築業界とは違う世界で働くことになりました。
工務店系を選ばずに大手ハウスメーカーであるへーベルを選んだ
好きな家を好きなように設計して建てればいいじゃないか。
同級生たちにもよく言われました。自分で図面を書いて、工務店に持ち込んで建ててもらえばよいじゃないかと。
しかし、私は先生方の言う「プレハブメーカー」の一つである旭化成ヘーベルハウスを選びました。
ヘーベルハウス選んだ理由は以下の記事に書きましたので読んでいただければ。
建築の基礎理論を学んでいるため、大手ハウスメーカーのそれぞれの特徴と良し悪しは大体わかります。
そして、それぞれのメーカーの良し悪しを単純比較できるようなものではないこともよく知っています。
上記の記事でも書きましたが、各メーカーの設計思想…家造りのコンセプトが我が家の家造りのコンセプトに一番合うという観点でメーカーを選びました。
ヘーベルハウスを選んだのは、その強固な構造です。
内装なんかは、余程のこだわりがない限り、どこのメーカーで建ててもどうにでもなるものです。
でも、ヘーベルハウスじゃなくても、重量鉄骨を使った家も、ALCコンクリートを外壁に使った家も建てることは可能です。
あえて自由度の制限が多い大手ハウスメーカーなのか
端的に言ってしまうと、以下の理由です。
- アフターケアの面(大きな会社ならそうそう潰れない)
- 自分の口出ししたい点だけ押さえておけば、後は優秀なメーカーの担当者が一定以上のクオリティで作ってくれるから
設計事務所でアルバイトをしたり、インターンをしたりして設計から施工まで一通りの流れを体験したことがある故に、建築って本当に大変だって知っているんです。
だからこそ、おいしいとこだけ楽しんで、面倒くさいところはプロに任せちゃえ!というグータラ根性で考えると、大手メーカーが楽だったのです。
この長い文章をここまで読んできて、最後はこれかい!と思わずブラウザーを閉じてしまいたい気持ちになられたかもしれませんが、これが本音なんですよね。
好きなことは楽しいところだけつまみ食いして楽しめばいいじゃない。
一言で言うとこういう結論です。
大したオチもなく申し訳ありません。
でも、今実際に家造りを行っていますが、学校で課題をやっていた時よりもとっても楽しいです!
最後に、私が設計事務所でアルバイトをしていた時に設計に携わったお部屋の写真でお茶を濁して、今回のお話を終わりとします。
↑これはこれで面白い仕事でしたよ。