先日、拙ブログを仲間に入れて下さってるTwitterの#家系ブログを盛り上げる会で、平屋と二階建てどちらが良いのか?というテーマで、様々な家ブロガーさんたちの意見を拝読できるという機会を得ました。
興味のある方は以下のまとめ記事をご覧ください。
さて、そんな中で私としましては、広い平屋が一番贅沢だとは思うわけです。あくまで贅沢という基準です。
何故って、国土の狭い日本で土地の使える幅が広ければ広いほど贅沢なんですよ(笑)
端的にこれを表してるのが、以下の場面です。
さて、それはそうと…
その時のやり取りで私が紹介した建築界の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの『ファンズワース邸』の評判が良かったので、ちょこっと紹介しますってのが、今回のお話。
世界三大建築家
世界三大建築家と言いますと、以下の三名です。
- フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)
- ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)
- ル・コルビュジエ(Le Corbusier)
日本の三大建築家って呼ばれる人もいるのですが、それはまた後日。
建築学科で必ず習うお三方です。その業界では超有名人というかもう神扱いですね。
今回はその中の一人、ミース・ファン・デル・ローエの代表作の一つ、『ファンズワース邸』について簡単にご紹介します。
ミース・ファン・デル・ローエってどんな人?
名前長いですよね。大体みなさん「ミース」と略して呼んでいるので、以降ミースと略させていただきます。
さて、このミースさんの略歴を私なりにまとめますと…
1886年生まれ、1969年没のドイツ人のおっさんです。
20世紀のモダニズム建築を代表する一人と言われています。
決め台詞(名言ともいう)は…
- 「Less is more.」(より少ないことは、より豊かなこと)
- 「God is in the detail」(神は細部に宿る)
これ、テストに出ます(出ました)。
住宅建築を検討して色々調べている人はご存じの「ラーメン構造」、このおっさんは某テレビ朝日の有名な番組風に言うと、「ラーメン構造の魔術師」とかそんな感じの紹介をされるんですかね。
デザイン界で知らない人はいないドイツの『バウハウス』の3代目校長としても知られています。
余談ですが、バウハウスってドイツ語で「BAUHAUS」って書くんですが、英語のHouseはドイツ語ではHausになるんですね。
で、旭化成ヘーベルハウスって「Hebel Haus」って書くんですよ。ドイツ語だったんですねぇ…という些細なお話でした。
閑話休題
ミースさん、世界三大建築家と称されるほどのすごいおっさんなんですが、残念ながら日本にはこの人の設計した建物はありません。
詳しくはWikipediaの記事でも読んでみてください。
巨匠の平屋
さて、今回の話題は平屋だったわけですが、ミースもすっごい平屋を設計しているんですね。
今回紹介するのが、そのすっごい平屋「ファンズワース邸」です。
ファンズワース邸について
概要
このファンズワース邸というのは、アメリカのイリノイ州シカゴの近くにあります。
ここにあるんですが、
アメリカのファンズワースさんっていう金持ちが、3万6000平方メートルの土地に週末別荘建てたいんだよね~ってミースに話を持ち掛けて実現した家です。
日本風のスペックで言いますと、
- 床面積:145.2㎡(43.9坪)
- 建築面積:194.5㎡(58.8坪)
- 高さ:4.94m
- 構造:鉄骨造 屋根PCコンクリート+防水 床PCコンクリート+軽量コンクリート+大理石 (温水による床暖房仕様)
ということになります。
延べ床面積が100平米あれば、ちょっと広い家と言われる日本とはスケール感が違いますね。流石アメリカです。
ヘーベリアンならお気づきでしょうが、この家は壁がガラスなだけで基本的な構造はヘーベルハウスと一緒なんですね。
ファンズワース邸にへーベル版をくっつけるとあら不思議。ヘーベルハウスの出来上がりです。イメージ的には新色トバモリーホワイトの吹き付けが似合いそうですね。
施主は気に入らなかったそうです
名建築と呼ばれていて、確かに美しい建物ですが、実際住みたいと思いますか?
少なくとも私は住みたいとは思いませんね。ショールームで自分の生活大公開!な生活なんて嫌ですもの。
この家の施主であるファンズワースさんもそう思ったようで、ブチ切れたそうです。「こんな家住めるか!」と。
で、設計料を払わず、ミースが訴えるという裁判に発展したそうです。
最終的にはミースが勝訴したのですが、これ以来ミースは個人住宅は作らん!と住宅設計をやめてしまったとか。
なお、ファンズワースさんはこの家にスクリーンを取り付けて外から見えないようにして使ったとか…
今は博物館?として開放されているそうです。
そういえば、似たような家が日本で生まれてネット上で話題になったことがありましたね。
建築概要
この家の平面図はこんな感じです。
まとめ
というわけで、スタイリッシュですが住む人を選ぶ巨匠の平屋。「ファンズワース邸」でした。
建築って芸術ですけど、あまりに芸術に寄せすぎると「住まい」としての機能はどうなんだ?って疑問に思うような建築物もあると思うんですね。
私自身、この作品はとても美しいし、後世に残すべきという感想を抱いています。ただ、一方で施主のファンズワースさんのように「こんな家住めるか!」っていう気持ちもあります。
でも、住んでみたいという人も世の中にはいるようです。
人生は本当に人ぞれぞれですね。
この家、みなさんも住んでみたいと思いますか?
では、今回の雑談はここまで。
ありがとうございました。
色々参考になるリンク