さて、前回は請負契約完了後の次工程である「詳細設計行程」で進める、建築確認申請と住宅ローン本審査のお話に触れたと思います。
まだ読んでいない人は前回の記事をご覧ください。
前回も登場しましたが、行程図です。
前回は上記の図の一番左の行程「詳細設計行程①」の半分までしか書けませんでした。長くなりましたからね。
では、早速続きに入ります。
住宅設備決定
家造りで多くの人が重視するのが、実際に生活する空間で毎日触れて、使い、そして目に留まる各種住宅設備と内装です。
建築確認申請を出すにあたり、設備の決定は必須です。
住宅設備の主なものは、キッチン、トイレ、風呂、洗面台の四大水回りです。
特に、一般的な賃貸住宅だとこれらの設備が一番安いグレードだったり、小さいサイズだったりしますので、注文住宅を建てるにあたって立派な水回りにしたい!と考えている方は多いと思います。
なぜ建築確認申請のために設備を先に決めるのか
ハウスメーカーによって様々かもしれませんが、少なくともヘーベルハウスや住友林業の注文ハウスでは、建築確認申請の前に設備をあらかた決めました。
厳密に言いますと、設備のサイズを決めたのです。
例えばお風呂。
お風呂は規格サイズになっているのですが、それでもいくつかのパターンのサイズがあります。
業界大手の一社であるTOTOさんのお風呂のサイズ表記のページですが、一般的に1616サイズとか、1620サイズなどと表記されています。
このサイズが変わることで、図面上の間仕切りの位置が変わります。
つまり、建築確認申請後に「やっぱり大きいサイズのお風呂にしたい!」となると、変更申請の対象になります。
「軽微な変更」で済めばよいですが、小→大だと「計画変更」になるケースもあり、それだと追加料金になってしまします。
そういうことにならないように、建築確認申請を出す前に設備を決めるのです。
サイズさえ変えなければ、後からメーカーを変更しても良い
ただ、やはり後から「やっぱりTOTOよりリクシルのお風呂が良かったなぁ」となった場合、追加料金が発生するからと泣く泣く諦める必要があるのか?というと、実はそんなこともありません。
例えば、最初はTOTOの1620サイズのお風呂を想定していたけど、やっぱりリクシルにしたいとなったら、リクシルの1620サイズのお風呂に変える分には「軽微な変更」に収まるケースが多いです。
家の躯体としては、どこのメーカーだろうが規格サイズのバスユニットのサイズが同じであれば図面上柱の位置も壁の位置も変わらないのです。
ただし、選ぶ設備の値段差はあるので、より高いモデルにすると差額分が費用に上乗せされますよ(最終的に予算オーバーのため、費用カットのために同じサイズでグレードを落として価格を下げるってことはよくやる手段です)。
設備は好きなメーカーを選べるのか?
世の中には様々な住宅設備メーカーがあります。その中でも特にお気に入りのメーカーがある人もいるでしょう。
自分の好きなメーカーを入れることはできるのか?と疑問に思う人も多いかと思いますが、答えは「条件付きYes」です。
例えばヘーベルハウスのバスユニットは標準で以下のメーカーから選べます。
- TOTO
- リクシル
- セキスイ
ただ、このメーカーの中のどのモデルでも選べるのかといいますと、ヘーベルハウスの設備カタログの選択肢は、上記メーカーの特定のモデルだけです。
例えば、リクシルのバスユニットの中でも「アライズ」と呼ばれるシリーズの一部がヘーベルハウスの標準バスユニットの選択肢になっています。
リクシルの上位モデルである「スパージュ」はカタログにはありません。
じゃあ、憧れの戸建て住宅にスパージュのお風呂を入れることを夢見ていた人は、ヘーベルハウスで家を建てられないのか?というと、そんなことはありません。
ハウスメーカーのカタログに載っている設備というのは、そのハウスメーカーが安く仕入れられる製品を載せているだけであり、ハウスメーカーにもよりますが、カタログ外の製品を入れてもらうことは交渉次第では可能です。
実際にヘーベルハウスにスパージュを入れた方のブログなどもあります。
ただ、カタログにない製品を選ぶとその分高くつきます。カタログに載っているということは、ハウスメーカーと設備メーカーの間で特価での仕入れができる仕切りができているものですので、それ以外の製品だと下手すると(業者価格の)定価でしか入れられないということはあります。
つまり、お金さえかければ大体のメーカーの設備を導入することができます。
設備選びのワンポイントアドバイス
設備って、カタログで見ているのと、現物を見るのとでは全く印象が違います。
カタログのモデル写真の色がいいなと思ったら、現物の色と全然違った!ということもとても多いです。
ですので、設備にこだわりがない人も真面目に選ばないと、実際にお部屋に入った時の印象が違います。
正直我が家も、設備にはそんなにこだわりはなく、お風呂も1616というカタログサイズで一番小さなモデルを考えていましたが、実際にショールームで現物を見たら、1618は最低欲しい!と思うようになりました。
ヘーベルハウスでの設備選びの注意点
ヘーベルハウスのカタログで選べる設備についてですが、バスユニットは3社とも有名どころで遜色ありません。
トイレもTOTOとリクシルですので、最上位モデルでも希望しない限り特に差はありません。
洗面台も、TOTO、パナソニック、住友林業クレストと一流どころから選べます。
問題はキッチンです。
リクシル、トクラス、クリナップの他にヘーベルハウスオリジナルというメーカーが選べます。
正直どれもそれぞれに特徴があり、好きなメーカーを選べるのですが、その中でリクシルのキッチンでは注意が必要です。
ヘーベルハウスでは、リクシルの「リシェル」というモデルを選択できるのですが、そのモデルの特徴でもある「セラミックトップ」には憧れると思います。
ただ、ヘーベルハウスを建てる方の多くは二階建てかそれ以上の階高になると思います。
我が家も三階建てのFREXです。
このセラミックトップはキッチンの階数が上がるごとに搬入費用がバカ高くなる!
この点注意して下さいね。
今回のまとめ
今回は大したことを書いていないのですが、設備選びのポイントとしては以下の通りです。
- 最初の設備選びではメーカー選定というよりもサイズを選ぶことを優先すべし
- 同じサイズなら確認申請後でもメーカーを変更できる
- 一部設備は部材搬入費が高くなるので、事前に確認すること(特にリクシルのセラミックトップ)
というわけで、設備選び編でした。
設備を選ぶと、建築確認申請用の図面が仕上がってきますので、次回は建築確認申請図面のチェックについて書きたいと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
次回