2020年1月5日に住宅展示場に冷やかしで行ってヘーベルハウスのモデルハウスに行き、そこで妻から「家を建てるならヘーベルハウスって決めていた。」という衝撃の発言(初耳)をされ、1月11日に土地を紹介され、1月12日に土地を実際に見に行ったらそこを購入する決意が固まり、その日の夜には最初のプランが提示されていました。
我が家は何故ヘーベルハウスを選んだのかについて、今まで触れていなかったので、自分自身の備忘のためにも書いておこうと思います。
何故ヘーベルハウスを選んだのか
ここまでへーベルハウスありきで計画が猛スピードで進んできましたが、以前の記事でも書きましたが、私は本来日本家屋的な家が好みなんです。
つまり、工法からデザインから全部ヘーベルハウスとは対極の好みなわけです。
では、なぜヘーベルハウスなのか?この選択に至るまでの理由を掘り下げていきます。
住むエリア故の理由
住むエリアは川崎市中原区の元住吉エリアと決めた故に、その土地の特性に合った家にする必要があります。
記事中にも触れていますが、川崎市の宿命は多摩川にあり。
水害が想定される川崎
百聞は一見に如かず、以下をご覧ください。
基本的に川崎市の市街地は多摩川氾濫時に2メートル前後の浸水が想定されています。
しかし、川崎市は多摩川だけではありません。
お隣の横浜市には一級河川鶴見川もあります。この鶴見川も氾濫が頻発した川でして、川崎市も床上浸水が想定されています。
実際に2019年の台風では、実際に洪水の被害を受けました。
http://www.ajg.or.jp/disaster/files/201910_Typhoon19002.pdf
元住吉は無事でしたが、同じことが繰り返される恐れはもちろんあります。
じゃあ、川崎に住まなければいいじゃないという至極当然の意見もありますが、日常の生活の利便性と気に入った地域という点から、その選択はできませんでした。
首都圏直下型地震の再来
いつか再来すると言われている第二次関東大震災について、神奈川県は川崎市の被害を予想しています。
こちらに川崎市が調査した結果もリンクしておきます。
http://www.city.kawasaki.jp/170/cmsfiles/contents/0000046/46696/gaiyou.pdf
大正12年の関東大震災では、東京の被害がクローズアップされますが、実際には神奈川県が震源地であり、横浜市での被害は甚大だったことはあまり知られていません。
川崎に住む故の選択
そもそも住まいを川崎市に定めたという時点で以下の懸念は織り込み済みだったわけです。
- 川崎市は多摩川氾濫による平地であり地盤が弱い
- おそらく第二次関東大震災は来るだろう
- 多摩川や鶴見川の堤防決壊による洪水も来るだろう
我が家が家に求めた性能
家を建てるにしても災害できれいさっぱり無くなる事態を避けたいというのが根底の考えです。
建てる家に求めたスペックは以下の通りです。
- 大地震に耐える
- 洪水に耐える
- 火災に耐える
私は元々建築学科卒です。実際、設計事務所で働いた経験も若干あります故、その辺の人よりも建築の知識はあるわけで、上記の目的を果たすためにはそのHMの構造をベースに選ぶ必要があると理解していました。
構造上選択肢から外れたメーカー
木造在来工法
まず、木造在来工法系のメーカーは選択肢から外しました。これは、大工の腕次第で強度が変わるので、我が家の要求スペックを本当に満たせるのか疑問だったというのが大きな理由です。
この時点で、私が大好きなサイエンスホームが選択肢から外れてしまいました。
2×4壁式工法系
三井ホームや一条工務店やミサワホームなんかが代表例の、木質パネルを組み合わせた壁式構造の家も選択肢から外しました。
地震にはめっぽう強いのですが、その後の火災や水害時の木質パネルへのダメージが懸念事項でした。
あと、学生時代から壁式構造ってあまり好きじゃないんですよね…壁が基本的に耐力壁になるので、開口部があまりとれないので。
というわけで私はツーバイフォー系の構造は単純に好きじゃないから選びませんでした。スウェーデンハウスは好きなんですけどね…
選択肢として残った工法
では、逆に選択肢として残った工法とは?
基本的に地震大国日本の最近の大手ハウスメーカーの家は、構造はしっかりしているので、どれを選んでも基本的に問題はありません。本当に独断と偏見の好みの世界です。
木造ラーメン構造
柱と梁で構成される点で在来工法と基本は同じだが、柱と梁の接合をより強固にしたのがラーメン構造です。住友林業や積水ハウスシャーウッドがこの系統ですね。
工法によっては筋交いがなくても構造を保てるのも特徴です。
RC造
地震にも洪水にも火災にも圧倒的な強さを誇るのはRC(鉄筋コンクリート)造ですね。
大成建設パルコンやレスコハウス、三菱地所なんかが有名です。
コンクリート打ちっぱなし建築と言えば、安藤忠雄が印象深いですね(私の好みではないんですけどね)。
構造としては良いのですが、どうもこの質感が好きになれない…ただ、RC外断熱工法は北海道では最強の組み合わせと言われていました。雪に潰れず、暖かい最強の家として…
鉄骨系
一言に鉄骨と言っても軽量鉄骨や重量鉄骨に二分されます。そういえば昔サントリーから『鉄骨飲料』ってジュースが販売されていましたね。鉄骨娘…懐かしい。
ダイワハウスやパナソニックホームは軽量鉄骨の家のイメージが強く、トヨタホームやセキスイハイムは軽量鉄骨のボックスユニット構造のイメージが強いです。
そして、重量鉄骨と言えば積水ハウスとヘーベルハウスですね。私のイメージでは。
選んだのは比類なき壁でした
というわけで、一通り検討した結果、我が家(の妻)は重量鉄骨のヘーベルハウスを選びました。
妻はへーベルハウスの単純なコンセプトが気に入ったのが、選んだ理由であると述べました。
- 重量鉄骨造である
- へーベル版は難燃ではなくそもそも燃えようがない
- その強力な躯体は多少の洪水でも家が流されない
それが、数ある強靭さを売りにしたハウスメーカー各社の中で、へーベルハウスを選んだ理由。
そもそも近年の住宅メーカーの商品の多くは、コンセプトは違えど災害に強い。ただ、構造や考え方によってその災害に強いというベクトルが各メーカーで違う。
地震で揺れない家にしたいなら、へーベルハウスの制振よりも家自体の揺れを抑える工夫をしているメーカーは他にもあるし、データ上でもへーベルハウスよりも家自体の揺れが少ない結果を出しているメーカーは他にもあります。
でも、へーベルハウスは…
- 地震が何回来ても構造は維持します
がコンセプトです。
家の中の家具とかは、揺れで倒れてぐちゃぐちゃになるかもしれないけど、構造も基礎も(地割れで土地がなくならん限り)死なないよ!である訳です。実際どこまで大丈夫かはわからないけれども。
家具は買いなおせばよい。でも家が修復不能なら意味がない…であるわけです。
※決して他のメーカーだと家が修復不能になると言うわけではないし、へーベルならば必ず生き残れるというつもりもないですが
鬼怒川の決壊に耐えた「奇跡の白い家」
ヘーベルハウスを後押ししたエピソードの一つが、この有名な白い家です。
ヘーベルハウスに限らず、基礎工事と地盤改良をしっかりしていればどこのメーカーでも流されないとは思いますが、この災害の後この家はしっかり修理して再び住めるようになっている点が、我が家の評価が高かった点です。
ハウスメーカー各社の比較
はっきり言って、違う工法を比べてもあまり意味はない訳です。高層ビルで採用されるSRC構造(鉄骨鉄筋コンクリート)と、RC構造を比べて、SRCの方が強いのは当たり前なわけで。
では何で比較すればよいのか?
各社、家のコンセプトが違うわけです。
本当に暖かい家に住みたいなら、へーベルハウスよりも一条工務店や三井ホームなどの様な高気密住宅の方が絶対に暖かい。
大開口窓を付けたいなら、住友林業や積水ハウスが良いでしょう。
各社それぞれに長所もあり、構造の強さの意味の違いもあります。
ヘーベルハウスのコンセプトは?
へーベルハウスが完璧だなんて思っていませんが、ヘーベルハウスを例えるならば…ハウスメーカーのボルボと言ったところでしょうか。
無骨ながらもとにかく硬い、それがヘーベルハウス。
最強の防御力を求めた結果、ヘーベルハウスを選んだというオーナーは多いと聞きます。そして、我が家も…
防御力でヘーベルハウスを選びました。
ハウスメーカーを選ぶ一つの指標
沢山の魅力的なハウスメーカーがある中で、どこを選ぶのが良いのか?選ぶ理由はいろいろあるとは思いますが、
どこのメーカーの「家造りのコンセプト」が、自分たちの求めるものに一番近いかどうか
で選ぶことも、一つの選び方かもしれません。
まとめ
正直、私はへーベルハウスの見た目は好きじゃないです。
しかし、建てたら一生住むことになるはずです。
将来退職後にもしかしたら北海道に移住というか帰るというか、セカンドライフで実家の家をリフォームするか建て直して暮らすかもしれないけど、その時はヘーベルハウスでは建てないでしょう。北海道にヘーベルハウスはないので。
ロングライフ住宅というコンセプトも妻には刺さったようです。
主要構造体は80年は保つと言われています。
色々なところでも指摘されていますが、ヘーベルハウスは60年保証といっても、30年目の大規模補修に400万ほどかかるといわれているし、実際に担当営業からもそう言われました。
ただ、住宅はどこのメーカーで建ててもメンテフリーなんてことはないです。
30年で400万。1年あたり14万、月にならすと1万ちょっとの積み立てになります。
そもそも月に1万も積み立てられないようなら、家を買うべきではないし、根本的にキャッシュフローを見直さないとならないです。
我々夫婦には子供はいないし予定もない。つまり、子持ちの家庭と違って将来的な出費という点で、住宅にかけられるお金が子供のいる家庭よりも当然多くなる訳です。
ということを考えると、まあうちはへーベルハウスが合ってるかもね?
というのがへーベルハウスにした理由です。
実際営業担当者も、へーベルハウスを選ぶ人にはおおまかに二通りあって、
- 大開口間口や独特の見た目が好きでへーベルハウスを選ぶ人
- 構造に惚れてへーベルハウスを選ぶ人
だそうです。
残念ながら我が家は大開口間口を生かせる土地でもなければ、見た目も好きではない。
強靭さのスペックで選びましたの典型例ですね。
もし、このブログを読んでいるこれから住宅建築をしようと計画している方がいたら、こんな観点でもハウスメーカーを選んでみても良いかもしれないです。
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