ヘーベルハウスに限りませんが、住宅展示場のモデルハウスというのは大抵が大豪邸です。建物だけで億越えの代物で、普通の家庭で買えるような代物ではありません。
つまり、現実の家と比べるとモデルハウスというのはあまり参考にはならないわけです。
では、ヘーベルハウスで家を建てようとする人が参考にできるリアルサイズのヘーベルハウスってどこで見られるのか?今回は、我が家がヘーベルハウスでの設計を進めるにあたって実際に見学した、「リアルサイズのヘーベルハウス」について書いていきます。
モデルハウスは大豪邸
勢いで土地の買い付け申し込みを行ったまではいいですが、へーベルハウスと言ってもモデルハウスの豪邸しか見たことがないというのが実情です。
住宅展示場のあの家が、今回購入予定の土地に収まるはずもなく、何分割したら入るの?というサイズ感なわけです。
モデルハウスだけを参考に家造りしてはいけない
当たり前の話ですが、億単位の価格であるモデルハウスだけを参考に家造りを進めるのは現実的ではありません。いかんせん、サイズが現実的ではないわけです。
ヘーベルハウスは基本的に尺モジュールがベースですが、鉄骨住宅でへーベル版という特徴もあって、一般的な尺モジュールの幅は910mmですが、ヘーベルハウスは915mmとなっています(壁芯寸法ですので、実効サイズはもっと小さくなります)。
普通に廊下を作ると幅は915mmになるのですが、モデルハウスにそんな狭い廊下は普通は作りません。
多くの見学客が同時に訪れることを想定して、廊下などでも人がすれ違えるようにちょっと広めに作っているわけです。
モデルハウスの廊下のサイズ感で、図面として上がってきた廊下を想像していたら残念な結果になることは目に見えています。
現実サイズのヘーベルハウス
では、現実サイズのヘーベルハウスを実際に見学するのが早いのですが、知り合いにでもヘーベリアンがいればご自宅訪問という手もあると思いますが、そんなに都合の良いこともないでしょう。
そんなヘーベリアン候補生のために、ヘーベルハウスは現実サイズのヘーベルハウスを、実際の住宅街の中に建てて公開しています。
名付けて『街かどヘーベルハウス』。
サイトをご覧になればわかると思いますが、29坪以下、30坪以上39坪以下、40坪以上49坪以下、50坪以上とサイズに分かれています。
後半の50坪以上なんて、住宅展示場と大して変わらないじゃないかというツッコミは置いておいて、29坪とか、39坪以下なんて割と現実的なサイズ感です。
なお、この街かどヘーベルハウスですが、ある程度公開が終わると建売住宅として売りに出されます。時折このサイトを見ると、家が入れ替わっているので、興味がある方は定期的に見に行くといいかもしれません。
街かどヘーベルハウス豪徳寺へ
我が家ももちろん、現実的なサイズのヘーベルハウスを見ておく必要性を感じており、営業氏から紹介されたこの「街かどシリーズ」を、実際に訪ねてみることにしました。
この当時、我が家から近い29坪クラスの街かどヘーベルハウスは、小田急線沿いの東京都は世田谷区、豪徳寺にありました。
豪徳寺
東京の地理に詳しくない読者もいると思うので簡単に豪徳寺のデータを。
新宿から神奈川に伸びる小田急電鉄のローカル駅で、東京都の世田谷区になります。
新宿まで一本で行ける立地で、渋谷も途中の下北沢で乗り換え一本で行けます。
公示地価の平均が74万6000円/㎡(2020年)、坪単価は246万6115円/坪となっている比較的高級な住宅街といったところでしょうか。
地名の由来ともなっているお寺、豪徳寺は曹洞宗の寺院で、安政の大獄や桜田門外の変で知られる彦根藩主の大老「井伊直弼」のお墓があることでも知られています。
街かどヘーベルハウス豪徳寺
というわけで、我が家からも比較的行きやすいこの豪徳寺のモデルハウスを実際に見に行ってみました。ちなみに、豪徳寺駅で降りたのは人生で初体験…ただの住宅地に用事はないですからね。
駅から10分も歩かず到着。あの辺りは非常に密集した住宅街で、下町チックな商店街にオシャレなお店も混じっていて中々素敵な街でした。車で生活するには少々不便な道の狭さも気になりましたが…
そんな街の中の一角にありました。
サイズ感として我が家を建てようとしている土地と似ています。間口が狭く奥に細長いですね。この家は角地なので広く見えますが。
ここには品の良さそうな女性のスタッフがいました。営業の~さんが担当ですと話すと、快く案内してくれました。
ここは3階建てになっており、1階が店舗的な設計になっており、2~3階がプライベートスペース。
夫婦と子供二人、車は持っていないという想定の設計だとか。
アオヤマフラワーマーケットとのコラボで家中緑にあふれている特注仕様とのことで、追々建売として売りに出すそうです。
さて、さっそく内見。
一階
一階は店舗併用みたいな空間が広がっており、住宅としてはあまり参考にならないのですが、玄関幅なんかはモデルハウスと違って現実サイズなのが参考になります。
ガーデンテラスの様なウッドデッキが広がっており、フォールディングウィンドウをあけ放つと室内と一体化した空間が広がります。
フラワーアレンジ教室か何かをやっている店舗をイメージしたような空間で、室内はアオヤマフラワーマーケットとコラボレーションした観葉植物たっぷりの素敵空間となっています。
二階
4.1帖の子供部屋二つを窓側回廊と階段廊下で挟まれています。子供が巣立ったら部屋の間仕切りを取り払って8.2帖の部屋に変更できるとのこと。
ここの階段と廊下のサイズが、幅915mmの我が家のプランと同じで、とても参考になりました。
そして、今の我が家の設計のままだと特に1階の廊下がとても暗いぞと言うことがわかります。
階段の壁をスケルトンにできればそれなりに空間の広がりを出せて、閉塞感が多少は緩和できるのかなぁなんて思ったり。次回の打ち合わせの相談事項となりました。
それにしても、窓際廊下と階段側廊下の二方向の廊下と言うのもなかなか素敵な設計です。
3階
リビングのサイズ感はとても参考になりました。この15.9帖のLDKはアイランドキッチンが場所を取りすぎている印象を受けました。
我が家ではアイランドキッチンは導入しないなぁという考えに根拠を与えました。というか、夫婦二人暮らしでアイランドキッチンにする理由が特にないとも。
ここの脱衣場とお風呂場はとてもリアルなサイズで、現在の我が家のプランと同じサイズだったので、色々と改善点が見えました。脱衣所はもう少し広く取らないと狭いぞと。
屋上
この家は、屋上へはエレベーターでのみアクセス可能になっています。
この屋上がまた素敵で、ルーフガーデンになっています。
妻はこれを見て、我が家もルーフガーデンにしたいと言っていました。今まで観葉植物を買ってきたことはありましたが、そのほとんどが枯れたという点については触れずにおきました。
街かどヘーベルハウスを実際に見ての感想
街かどへーベルハウスは、都内近郊にもたくさんありますが、このサイズ感のモデルハウスはこの当時ここ豪徳寺と、あとは京都しかありませんでした。
その後埼玉の北浦和にも一軒追加されたようですが。
もし、そこまで広くない土地にへーベルハウスを建築する予定のある人は、ここ豪徳寺のモデルハウスは絶対に見ておくことをお勧めします。
敷地面積24 坪、建物面積43.20 坪と、若干広めではありますが、24坪の土地にこれだけの家が建てられるというわけです。
最小幅の廊下や階段、洗面脱衣所などがリアルなサイズで見られる点で、住宅展示場のサイズ感で勘違いした頭をリセットできます。
さて、この豪徳寺の家ですが、売りに出しているようです。
気になるお値段は…
1億3900万円!!!
特注ガンガン盛っているのでこのお値段だとか…
住宅展示場と大して変わらないじゃないか!!
インテリアや設備はともかく、サイズは本当にリアルなサイズなのでとても参考になります。
もしヘーベルハウスで新築を考えている方は、街かどヘーベルハウスは必見です。
次回、